新潟県にある佐渡島は、東京23区よりも面積の大きい、本州最大の離島です。
豊かな自然に恵まれているため、農業や漁業・観光業が主な産業ですが、近年では若者の島外進出による人口減少が深刻な問題となっています。
2021年10月、株式会社PRUMは新潟県佐渡市と提携し島内に新しくオフィスを創設。島内、島外からの雇用の促進や若者のIT教育をはじめとしたITの地方格差問題にも取り組んでいます。
ストーリー

20年前の人口は7万人であった佐渡島。毎年約1000人ずつ減少し、今では約5万人になりました。
島には大学がないため、高校卒業後の若者は島外で就職か進学かほぼ二択の状態です。もちろん島内に残る人や、出戻る人もいますが極々わずかであり、日本のなかでも特に少子高齢化が進んでいる地域です。
これを食い止めるためには若者が島に居られる環境作りが必須であり、そのためにはまず「働ける場所」が必要です。しかしながら、農業などの第一次産業がメインである佐渡島にはIT企業がほとんどありません。若者の興味を惹く時代の変化に合わせた仕事も必要な状況です。
将来有望な若者が、市場価値の高い人間になるために、働く場所がないというのは大きな課題です。そのため、新潟県と佐渡市が企業誘致を積極的に行っており、その中で東京本社の雇用実績を出しているPRUMに白羽の矢が立ちました。
佐渡島は有人国境離島と呼ばれるすぐそこに国境がある離島です。このような離島の人口が減ってしまうことは国防の観点からも好ましくない状態であり、対策は不可欠です。
PRUM佐渡オフィスだけの研修制度

「エンジニアを育てる会社」として未経験エンジニアを積極採用しているPRUMですが、佐渡オフィスでは、さらに特別な研修カリキュラムを設置しています。
東京本社では、業務外でPRUMアカデミーやGeek Lab.などのプログラミング学習(研修)をしますが、佐渡の場合は研修が業務そのものという体制を実現しています。
半年〜1年の時間をかけて、業務時間内にPRUMが作ったエンジニア育成カリキュラムをこなすという特別なプログラムです。
信じがたいとは思いますが、プログラミング学習が業務という未経験エンジニアには大変魅力的な環境です。
佐渡オフィスの環境

創設当初は数名しか入れない小さなオフィスでしたが、本社に負けない急拡大に対応するため、わずか数カ月で3、40名規模の広いオフィスに移転しました。
現在はエンジニア未経験かつ、移住者の社員が一丸となって快適なオフィス環境作りに励んでいます。同じ施設内の他社と交流をもったり、新しい取り組みへの提案にも積極的です。
自分たちで試行錯誤して会社を作り、東京本社とも連係しながら、良い雰囲気の中で優秀なエンジニアを目指し日々の研修に勤しんでいます。
地元との連携で島のITレベルを上げる

観光地域づくり法人(DMO)と連携し、佐渡島の高校や専門学校、また本土の専門学校や大学のIT教育に力を入れる動きです。
学校教育でのプログラミング学習とシステム開発のプロ集団が行う教育方法は全く別のものであるため、早い段階からの優秀なエンジニア育成にも貢献できると考えます。
人口の多い東京では自然に生徒が集まりますが、人口減の佐渡島では教育機関とPRUMのような事業者が一致団結し、手を組む状況だからこそ新たなイノベーションが誕生します。
2021年に実施したコーディングブートキャンプのように、地域だからこそできることを生かしながら、地域のみなさんと連携してITの地域格差を埋めるよう貢献していきます。